【この展覧会は終了しました】
会 期 : | 2008年6月14日(土)~7月27日(日) |
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休館日 : | 月曜日 〔但し、7/21(月・祝)は開館、翌火曜日は休館〕 |
出品作品: | 田能村直入《百花》、菱田春草《白牡丹》、小林古径《菖蒲》、 川端龍子《牡丹》、福田平八郎《牡丹》、《花菖蒲》、 山口蓬春《梅雨晴》、速水御舟《豆花》、上村松篁《芥子》、 髙山辰雄《緑の影》、石本正《罌粟》、松尾敏男《彩苑》 ほか約50点 |
花を愛でる心は、古今東西を問わず人々に共通するものでしょう。とりわけ四季の変化に恵まれた日本では、折々に多様な花々が満開を迎えます。自然に対する細やかな感性で花を愛でる我が国では、調度品や衣装の装飾デザインにおいてもユニークな文様が生まれています。特に日本画の世界では「花鳥風月」や「雪月花」のテーマのもとに、それぞれの画家が豊かな感性によって、花に自らの思いを託してきました。
本展覧会では、特に春から夏の花を描いた日本画約50点を通して、その美しさと魅力が、それぞれの画家によってどのように表現されてきたかを探ります。にじみの効果を生かした表現によって、墨の中に色を感じとることができる速水御舟晩年の《牡丹花(墨牡丹)》。古伊万里の壷に生けられた花の、気品と澄んだ色彩が魅力の小林古径の《菖蒲》。裏彩色で描かれた福田平八郎の《牡丹》が誘(いざな)う幽玄な世界。そして、雨上がりの瑞々しい紫陽花を描いた山口蓬春《梅雨晴》に漂う澄んだ空気――。
花の絵画が満開となる会場で、日本画家たちの鋭い観察力と感性が織りなす、かぐわしき花の香りを感じていただければ幸いです。