会 期 : | 2010年4月3日(土)~5月23日(日) |
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開館時間: | 午前10時から午後5時(入館は4時30分まで) |
休館日: | 月曜日(但し、5/3-5は開館、翌5/6(木)休館) |
入館料: | 一般1200円(1000円)・大高生900円(800)円・中学生以下無料 *( )内は20名以上の団体料金および前売料金 *障害者手帳ご提示の方、およびその介助者(1 名)は無料 *本展覧会は特別展のため、通常展とは料金が異なります。 |
主催: | 山種美術館、日本経済新聞社 |
協力: | 総本山醍醐寺、住友林業株式会社 |
出品作品: |
《雨趣》、《兎》、《聖牛》、《城》、《踊り子》、《那智》、《鳴門》、 《門》、《醍醐》、《北山杉》、《吉野》、《海》、《富士宮の富士》、 《犢(こうし)》ほか 院展出品作品を中心に約70点 *出品点数は変更になる場合があります。 |
このたび山種美術館では、2009年に迎えた奥村土牛(1889-1990)の生誕120年を記念し、その人と芸術をたどる展覧会を開催いたします。
「私はこれから死ぬまで、初心を忘れず、拙くとも生きた絵が描きたい。むずかしいことではあるが、それが念願であり、生きがいだと思っている。芸術に完成はあり得ない。要はどこまで大きく未完成で終わるかである。」――85歳のとき、自著『牛のあゆみ』の中でこう語った土牛は、1889(明治22)年2月、東京・京橋に生まれ、16歳で梶田半古塾に入門して画業の道へと進みます。院展を活動の中心とし、横山大観、小林古径、速水御舟などから多くを学びながらも、土牛自身は「東洋画と西洋画」、「写実と印象」、「線と面」、「色彩と墨」、「立体と平面」という、相反する要素の間で試行錯誤を重ね、両者が融合した独自の芸術世界を築き上げました。土牛の院展初入選は38歳と遅咲きでしたが、その雅号の由来である「土牛石田を耕す」の詩句のとおり粘り強く努力を続けました。101歳で天寿をまっとうする直前まで絵筆を持ち続けたという画家魂には目をみはるものがあります。
代表作と言われる《鳴門》(1959年、70歳作)や《醍醐》(1972年、83歳作)にも見られるような、対象を見つめる真摯なまなざし、絵の具を丁寧に塗り重ねて生み出された「コク」にこだわった深い色彩、そして画家自身の心の清らかさや優しさのこもった作風こそが、画家の誕生から120年がたった現代においてもなお、多くの人々の心に感動を与え続けている所以でしょう。
山種美術館は、本画・素描・書を合わせて135点の土牛作品を蒐集し、戦後の秋の院展出品作品のほとんどを所蔵しています。日本国内外でも屈指の「土牛コレクション」といわれる当館所蔵品から、本展では、院展出品作を中心として、季節の草花や十二支をテーマに描かれた作品なども加えた約70点を選び、土牛の画業と芸術の粋をご紹介いたします。