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美しき日本の原風景―川合玉堂・奥田元宋・東山魁夷―
会 期 : 2011年6月11日(土)~7月24日(日) (一部展示替 前半: 6/11~7/3、後半: 7/5~7/24)
会場: 山種美術館
主催: 山種美術館、読売新聞社
開館時間: 午前10時から午後5時(入館は4時30分まで)
休館日: 月曜日(但し、7/18は開館、翌火曜日休館)
入館料: 一般1000円(800円)・大高生800円(700)円・中学生以下無料(但し、保護者の同伴が必要です)
  • ※( )内は20名以上の団体料金、および前売料金
  • ※障害者手帳、被爆者手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)は無料
出品作品: 川合玉堂《春風春水》、《早乙女》、《山雨一過》、《溪雨紅樹》
奥田元宋《玄溟》、《山澗雨趣》、《奥入瀬(春)》
東山魁夷《春静》、《緑潤う》、《秋彩》、《年暮る》
横山操《越路十景》(全10点)
横山大観《霊峰不二》、小林古径《不尽》、安田靫彦《富嶽》、伊東深水《富士》、
ほか約60点  

*出品内容には変更が入る場合があります。

昭和期の高度経済成長以降、開発という名のもとに自然はますます破壊され、その美しい姿を失いつつあります。そのような中、かつては存在した日本各地の故郷の姿、そして次世代に伝えていきたい日本の心の風景というものを忘れぬようにという願いを込め、日本画家たちの描いた美しき日本の「原風景」を紹介する展覧会を開催いたします。

自然を飽くことなく凝視し、「肉眼で見るのではなく、心眼で描く」ことに努めた川合玉堂(1873-1957)。「人間の心の象徴」としての風景を描き、「風景自体が人間の心を語っている」という言葉を残した東山魁夷(1908-1999)。そして、幼少時の原体験から自然の移り変わりに惹かれ、「半心半眼」で見た自然を、鮮やかな色彩で描き続けた奥田元宋(1912-2003)。彼らの描く風景は、どこかなつかしく、心を落ち着かせる魅力を持っています。それは、かつては確かに存在し、いつかどこかで目にした日本の旧(ふる)き良き姿、美しい自然観や穏やかな詩情があふれる心のふるさとの姿です。

本展では、のどかな田植えの様子を描いた玉堂の《早乙女》、失われゆく京都の姿を描きとめた魁夷の京洛四季の連作、東北地方の雄大な自然の移り変わりを描いた元宋の《奥入瀬(春)》などのほか、故郷・新潟の風景を中国の瀟湘八景になぞらえた横山操の《越路十景》全10点も4年ぶりに一挙公開いたします。また、古代から「神」の宿る聖地として信仰の対象ともなり、現代においても日本の象徴的存在として愛されている富士山の姿を描いた作品もご紹介します。

本展をとおして、失われつつある日本の原風景に今ひとたび注目し、思いを馳せていただければ幸いです。


横山大観≪霊峰不二≫

川合玉堂≪山雨一過≫

東山魁夷≪年暮る≫

奥田元宋≪玄溟≫

横山操≪越路十景の内 蒲原落雁≫