【この展覧会は終了しました】
会 期 : | 2008年8月2日(土)~9月7日(日) |
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休館日 : | 月曜日 |
出品作品: | 狩野芳崖《芙蓉白鷺》、竹内栖鳳《蛙と蜻蛉》、横山大観《叭呵鳥》、 川合玉堂《鴨》、小林古径《猫》、安田靫彦《うさぎ》、小茂田青樹《雛》、 速水御舟《翠苔緑芝》、山口華楊《木精》、上村松篁《白孔雀》、 吉岡堅二《浮遊》、佐藤太清《清韻》、竹内浩一《猿図》、 ほか約50点 |
日本人は古くから動物や鳥、虫など、生命(いのち)ある「いきもの」たちに魅了され、その姿を描いてきました。中国から伝わった花鳥画以外にも、仏教絵画での神聖なる象や獅子、伝説上の麒麟(きりん)や鳳凰(ほうおう)、禅宗における龍虎(りゅうこ)図など、日本画における動物たちは時に宗教や信仰とも密接に関わりを持っていました。一方、近代日本画における動物たちは、こうした伝統をふまえながらも、より写実的に描かれ、作家の視線が感じられる個性的な姿として自由に表現されるようになります。
子犬、うさぎ、猫や、猿、牛などの哺乳類や、孔雀、鶺鴒(せきれい)、鷺などの優美な鳥たち。そして、蝶やカミキリ虫、鯉、蛇、蛙などの虫、魚、爬虫類(はちゅうるい)や両生類―。「いきもの」と一言で言っても、その種類は実に様々で、それぞれの生命の輝きに満ちています。
しんとした空気の中にひっそり佇む山口華楊《木精(こだま)》のみみずくや、真っ白な羽が凛として美しい上村松篁の《白孔雀》。白い兎と黒い猫が装飾的な画面構成の金地屏風に、象徴的に描かれた速水御舟の《翠苔緑芝(すいたいりょくし)》。愛らしい雛と人間社会の子どもの姿が重なる小茂田青樹の《雛》。仲睦まじい夫婦の様子を思わせる吉岡堅二の《浮遊》。背筋をぴんと伸ばした猫の視線に身が引き締まる小林古径の《猫》。
本展覧会では、この夏、お子様も楽しめる企画として、約50点の楽しく、愛らしい「いきもの」を集合させて皆様にご紹介します。ぜひご来館いただき、お気に入りの動物を見つけていただければと思います。