山種美術館

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理事長挨拶
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理事長挨拶

山種美術財団は、創立者・山崎種二(山種証券:現SMBC日興証券 創業者)の「美術を通じて社会、特に文化のため大いに貢献したい」という理念のもと1965(昭和40)年1月に設立され、翌1966 年7月に全国初の日本画専門の山種美術館を日本橋兜町に開館いたしました。所蔵品は種二と二代目理事長・館長の富治が自らの私財で収集し、その後に美術館へ寄付した個人コレクションが中核となっております。1998(平成10)年、施設の老朽化に伴い美術館の移転を計画、千代田区三番町での仮移転を経て、2009年10月には渋谷区広尾に美術館を新築し、移転いたしました。新しい美術館では、創立時の理念をさらに深め、お客様の鑑賞がしやすく、作品展示に最適な環境を整えております。

日本画について、最近では家庭内では触れる機会が少なくなったためか、「敷居の高さを感じる」というお声を聞くことがあります。しかし日本画は岩絵具や和紙といった身の回りや自然の素材を用いて、風景や人物など様々な題材を描かれているために、どこか懐かしさや人の心を動かす力を持っていると思います。こうした日本画の魅力を性別・年齢を問わず一人でも多くの方々にお伝えしていくのが当財団の使命と考え、財団設立以来46年余りにわたって、山種コレクションを中心とした展覧会の実施、図録の発行、特別鑑賞会や講演会の実施など、日本画に触れていただくための様々な機会を企画し、普及活動を続けております。 また日本画の有望な新人画家の発掘・奨励のため、かつて実施していた「山種美術館賞」の再開を創立50周年(2016年)に向け準備を開始しております。

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このたび当財団は2012年4月1日より公益財団法人へと移行いたしました。それに伴い、なお一層幅広いお客様に心の豊かさを感じる瞬間を持っていただきたく、親しみやすいテーマの展覧会や、作品のより深い理解につながる講演会など、様々な年齢層の方に日本画を体験していただく機会を提供していく所存です。また各国大使館が近いという地の利を生かし、国際化を見据えた日本文化の発信源として、さらに力を尽くしてまいります。

山種美術館の活動を通じて、幅広く国内外の多くの皆様のお役に立つことが、当財団の果たすべき使命だと考えております。今後も創立者の「美術を通じた社会貢献」の姿勢を根幹に、なお一層日本文化・学術の振興と発展につとめていきたいと存じます。

公益財団法人山種美術財団 理事長 田村(山崎)妙子

プロフィール
慶應義塾大学卒業後、東京藝術大学大学院美術研究科後期博士課程修了。学術博士。
2007年より財団法人山種美術財団理事長兼山種美術館館長。
2012年より公益財団法人山種美術財団理事長兼山種美術館館長。

※「崎」の本来の表記は「山」偏に「竒」ですが、パソコン、携帯電話等の画面の読みやすさを優先し「崎」を使用しています。